やぶはら高原スキー場は、昭和6年に開設され、まもなく100周年を迎える国内有数の歴史あるスキー場です。
国道19号線からわずか10分という優れたアクセスの良さ、エリア最大級のゲレンデ規模、多彩なコースを誇り、長年にわたり世代を超えて多くの人々に愛されてきました。
平成17年には、木祖村からの経営移管を目的として奥木曽グリーンリゾート株式会社が設立され、スキー場は民営化。
2006年シーズン以降、20年間にわたり営業を続けています。
しかし、近年の暖冬により売上減少が顕著となり、特に2016年~2020年の5シーズンは雪不足の影響でコースのオープンが遅れ、年内に全リフトを稼働できない状況が続きました。
これにより、スキー場の経営は大きな打撃を受けました。
こうした状況を受け、2019年には村によるスキー場の存続を議論する「あり方検討会」を開催。報道機関でも「やぶはら高原スキー場存続の危機」と報じられ、多くの皆様から心配の声をいただく中で営業を続けてきました。
しかし、コロナ禍以降は来場者数が徐々に回復傾向にあり、2021年以降の4シーズンではスキー場単体での黒字化を達成。木祖村からも正式にスキー場存続の決定が発表されました。
過疎化が進み、人口減少が顕著な中、やぶはら高原スキー場を通じたお客様との地域交流は、木祖村が将来孤立した山間地域とならないための唯一の希望です。
やぶはら高原スキー場は、木祖村にとって貴重な観光資源であり、地域の財産です。
これからも皆さまの思い出の場所として健全に存続し続けられるよう、サービス向上に
努め、設備投資を加速していきたいと考えています。
やぶはら高原スキー場の変遷
■創設と発展
昭和6年 薮原スキー場開設
・第二次世界大戦により営業中断
・昭和25年 薮原スキー場営業再開
・昭和28年 初のリフト架設
■設備の拡充と近代化
・昭和58年 国設第一ペアリフト竣工
・昭和59年 国設第二・第三ペアリフト竣工
・昭和60年 圧雪車導入
・平成3年 人工降雪機導入
・平成4年 ダイヤモンドライナー竣工
・平成6年 丸山ファミリーペアリフト竣工
■経営の転換と挑戦
・平成17年 スキー場民営化
(3社を1本化し、民営会社が運営)
・平成26年 やぶはら中央ペアリフト竣工
■存続の危機と再生
・平成31年(令和元年)やぶはら高原スキー場あり方検討会発足(スキー場存続の議論開始)
・令和2年 「やぶはら高原スキー場存続の危機」と報道
・令和6年 木祖村がスキー場存続を正式に宣言
やぶはら高原スキー場存続の危機を報じた新聞記事2022年.1月24日 中日新聞
この報道により多くの皆さまより心配の声をいただき、スキー場のイメージ低下に繋がりました。
その後4シーズン連続のスキー場単独での黒字化を達成
2024年6月にスキー場の存続が正式に決定しました。
しかし、やぶはら高原スキー場の設備は昭和末期にリフト建設が進められ約40年を経過しています。
また平成3年から順次導入されたスノーマシン設備も30年超が経過し、更新の時期を迎えており多くの課題があります。
スノーマシン・圧雪車設備投資の目的
やぶはら高原スキー場は「どこよりも滑りやすく、質の高いゲレンデの提供」をコンセプトに、特に人工降雪とゲレンデ整備に力を入れてきました。
降雪チームは天候や雪の状態を見極めながら、日々最善のゲレンデづくりに取り組んでいます。
木曽エリアは天然雪が少ないため、人工降雪機と圧雪車はゲレンデ維持に欠かせない設備です。
特にこの地域特有の低温環境では、粒子が細かく溶けにくい高品質な人工雪を作ることができ、滑りやすく上質なゲレンデづくりに繋がっています。
しかし近年は暖冬の影響で雪不足が深刻化しており、全国的にも人工降雪機の重要性が高まっています。
やぶはら高原スキー場では平成3年よりスノーマシンを導入し、現在は50台以上を稼働させて安定したゲレンデを維持していますが、導入から30年以上が経過し、更新の時期を迎えています。
また、メインコースのひとつである「国設第一ゲレンデ」には人工降雪設備が整っておらず、毎年オープンが遅れるという課題も抱えています。
さらに、上質なゲレンデ整備に欠かせない圧雪車も、昨今の車両価格高騰により、導入には大きな負担が伴い、資金面での課題を抱えているのが現状です。
昨シーズンはシーズン中に圧雪車がコース上で故障し、お客様にご迷惑をおかけする期間もありました。
こうした課題を解決し、より良いゲレンデ環境を未来へ繋いでいくために、私たちは今回、人工降雪機と圧雪車の導入を目的としたクラウドファンディングに挑戦いたします。
現在、やぶはら高原スキー場では50台以上の人工降雪機を稼働させ、安定したゲレンデ環境を維持しています。
しかし、メインコースの一つである「国設第一ゲレンデ」には人工降雪設備がなく、上部コースのオープンが遅れるという課題を抱えています。
そこで、人工降雪設備を整備し、より良いゲレンデ環境と安定した上部コースのオープンを実現するた
めに、人工降雪機を導入を目的としたクラウドファンディングに挑戦します。
open前の国設第一ゲレンデ
移動降雪機911で雪造りをおこなっている
具体的な設備投資の内容
国設第一ゲレンデに電源の敷設工事と固定式人工降雪機の導入
国設第一ゲレンデは、上部のゲレンデへ繋がるメインコースでありながら、人工降雪設備が整備されていない点が大きな課題となっています。
現在、このゲレンデでは水道管以外の降雪関連インフラが不足しており、スノーマシンを稼働させるために必要不可欠な電源工事も未整備です。
これは、メインゲレンデの中で唯一の状況となっています。
そのため、現状では移動式降雪機「911」を日々設置して降雪作業を行っていますが、この方法では効率的な運用が難しく、安定した人工降雪が確保できない状況です。
今後、安定したスキー場運営を実現するためには、国設第一ゲレンデへの降雪機と付帯設備の導入が必要不可欠です。
ピステンブーリーPB600ウィンチ1台の導入
やぶはら高原スキー場の高品質なゲレンデづくりにおいて、圧雪は欠かすことのできない重要な設備です。
特にこのエリア特有の、粒子が細かく硬くて溶けにくい人工雪を整備するには、高性能な圧雪車が必要不可欠です。
全リフト100日間の運転を可能にするために
国設第一ゲレンデにスノーマシンを整備することで降雪条件のいい国設第二・第三ゲレンデのOPENが早まり、年内の全リフトOPENが可能になります。
2025年度の木祖村の計画として国設第一ゲレンデにスノーマシンを稼働させるための電源の敷設と固定式スノーマシン4台を導入する計画となっています。
クラウドファンディングの具体的内容
効率的に造雪をするためには固定式設備に加え移動式の設備が必要です。
そこで移動式人工降雪機 樫山スノーテック「KB-300S」を1台購入するためにクラウドファンディングに挑戦します。
機種選定の理由
日本の気候やスキー場運営に特化して設計された降雪機で、設計がシンプルで、部品の交換や点検が容易です。
国内メーカーならではのきめ細やかなサポート体制が整備されています。
部品供給の安心感:消耗品や交換部品の供給が迅速で、現在やぶはら高原スキー場で使用している降雪機メーカーである為、運用中のトラブルへの対応もスムーズに行える。
【購入する設備】ピステンブーリーPB600ウィンチ1台
【機種選定の理由】
今回選定した圧雪車は、現在やぶはら高原スキー場で使用され
ている機種と同型であり、オペレーターが扱い慣れているため、
スムーズな運用が可能です。また、メーカーのサポート体制も
信頼でき、万が一のトラブル時にも迅速な対応が期待できます。
さらに、ウィンチ付きの圧雪車であることから、これまで整備
が難しかった急斜面や雪が少ないコースにも対応でき、より高
品質なゲレンデ整備が実現します。
国設第一ゲレンデへのスノーマシンと圧雪車の導入を目的とした クラウドファンディングを2025年9月1日から実施いたします
これからも皆さまの思い出の場所として、愛されるスキー場であり続けられるよう、サービス向上に努めてまいります。
皆さまの熱い応援をぜひよろしくお願いいたします!!